窮通宝鑑 亥月 癸 季節ごとの五行の状態や、調候の考え方を整理。

四柱推命鑑定

 

窮通宝鑑 考察|
亥月の癸水

亥月癸水,旺中有弱,何也?因亥搖木,洩散元神,宜用庚辛為妙。
得庚辛兩透 ,不見丁傷者,功名有準。 或支成木局,
有丁出干,為木旺火相,制住庚辛不生水,必主清寒。
或成木局,干見丙丁,異路之榮。
或一派壬水,不見戊制,名冬水汪洋,奔波到老。若得戊透,清貴堪夸。
或一派庚辛,得丁出制,主名利雙全。若不見丁,又主貧薄。
或四柱火多,名才多身弱,富屋貧人。

亥月の癸水は、なぜ旺じていても弱くなるのか?

1.古文を読んでみよう

亥月癸水,旺中有弱,何也?

亥月の癸水は旺じている中にも弱さがある。それはなぜか。

亥には甲木が蔵されており、水が木を生じることで、癸水の元気が洩れていくためです。

そのため、庚・辛の金によって水を生じてもらうことが望ましいと説かれています。

庚・辛がともに天干に透出し、丁火によって傷つけられていなければ、功名を得る見込みがあります。

2.亥月の癸水を読むポイント

亥月は冬の水旺の季節です。しかし、季節だけで水の強弱を決めることはできません。

亥の中にある甲木へ水が洩れるため、癸水が弱まる場合もあります。

まずは、命式全体を見ながら次の点を確認します。

  • 庚・辛があるか?
    癸水を生じる金が助けになります。特に庚・辛がともに天干に透出する形に注目します。
  • 水が強すぎないか?
    壬水などが重なり、水勢が強い場合は、戊土で水を制する形が重要になります。
  • 金が多すぎないか?
    金が多い命式では、丁火によって金を制する形も考えます。
  • 木局・火局の影響はどうか?
    木が強まれば水が洩れ、火が強まれば水との力関係も変わります。五行の配置を全体で確認します。

古文では、木局に丁火が加わる場合や、壬水が一面に広がる場合など、さまざまな組み合わせが挙げられています。

大切なのは、単に五行の有無を見るのではなく、何が強く、何が弱く、どの五行が働ける状態にあるのかを考えることです。


3.命式で考察してみよう

例題① 天元一気格

命式

時柱 日柱 月柱 年柱
癸 癸 癸 癸
亥 丑 亥 卯

大運:壬戌 → 辛酉 → 庚申 → 己未 → 戊午 → 丁巳

注目ポイント:天干に金がない。

天干はすべて癸水です。亥が重なり、水の勢いが強い一方で、亥に蔵される甲木や卯木へ水が洩れる形もあります。

丑の中には辛金がありますが、ここでは墓が開いていないため、十分に使えないものとして考えます。

この命式では、強い水を土で制する働きが重要になります。

私の考察では、壬戌・辛酉・庚申の大運は、卯木を弱める作用があるため、思うように進みにくい時期と読みます。

一方、己未運は、己土によって水を制し、卯木を強める方向に働くと考えます。

ただし、戊午運は良い運とは見ません。

己土と戊土は、同じ土でも働きが異なります。己土は水を制する働きが強い一方、戊土は同じようには働きません。また、午は命式の各地支との関係にも注意が必要です。

考察:
大運は、五行が巡ってくるというだけでは判断できません。命式のどこに作用し、どの働きを強めたり弱めたりするのかを確認することが大切です。

己未運に向けて、地道に準備を重ねるという読み方になります。


例題② 進士・日禄帰時格

命式

時柱 日柱 月柱 年柱
壬 癸 辛 壬
子 亥 亥 申

大運:壬子 → 癸丑 → 甲寅 → 乙卯 → 丙辰 → 丁巳 → 戊午

亥月の癸水にとって、亥に蔵される甲木への洩気は重要なポイントです。

この命式には辛金が透出し、年支の申にも金があります。古文が重視する、金によって水を生じる形が見られます。

一方、壬水も天干に現れ、地支にも水の根が多くあります。水の強さをどう調整するかが、大運を読むうえでの課題です。

私の考察では、甲運以降、東から南へ向かう大運の流れに注目します。木火の働きが加わることで、命式の水勢に変化が生じます。

ただし、戊午運の評価は格局の条件も踏まえて考える必要があります。日禄帰時格としての判断と、五行の強弱から見た判断を分けて検討します。

考察:
格局の名称だけで吉凶を決めるのではなく、命式そのものの五行の働きと、大運による変化を照らし合わせてみます。


例題③ 飛天禄馬格 尚書

命式

時柱 日柱 月柱 年柱
癸 癸 辛 壬
亥 亥 亥 辰

大運:壬子 → 癸丑 → 甲寅 → 乙卯 → 丙辰 → 丁巳 → 戊午

こちらも亥が重なる命式です。

亥の甲木へ水が洩れるため、辛・庚によって水を生じる働きに注目します。この命式では辛金が天干に透出しています。

壬水が現れているため、水の勢いも重要な判断材料になります。

私の考察では、水が強い場合、木へ洩らす、土で制するなど、命式に必要な働きを大運がもたらすかどうかを見ます。甲運から東南へ向かう大運の流れにも注目します。

命式を読む

辛金は偏印で、専門知識や特殊な学問を表し、癸水には知恵の意味があります。
亥が伏吟し、水の流れが強い命式です。辛金が天干に透出している点も、貴の要素として注目します。比劫には肉体を使うことや活動する意味もあります。頭脳を使って仕事を得る一方、実際に身体を動かす働きにも関わると考えられます。

大運の見どころ

  • 癸丑運: 印星に根ができ、就職や試験に吉祥で試験に合格し仕官の道が開けました
  • 甲寅運: 秀洩運となり、吉と考えます。
  • 丙辰運: 辰運に没したとされる点に注目します。

強い水の知恵が、どのような形で社会的な働きにつながるのか。大運によって変化する様子を考察します。  辛は肺、呼吸器の五行で 水の多い命では沈金(冷えます)。実際にもともと呼吸器が弱いそうです。  寅運では寅の中の丙の暖を得て肺の状態が改善します。

考察:
似たような五行の配置であっても、格局や成立条件によって大運の読み方が変わります。複数の視点から検討することが必要です。


例題④ 男性アイドルの命式

命式

時柱 日柱 月柱 年柱
丙 癸 丁 庚
辰 卯 亥 申

大運:4歳 戊子 → 14歳 己亥 → 24歳 庚寅 → 34歳 辛卯 → 44歳 壬辰 → 54歳 癸巳 → 64歳 甲午

注目ポイント:庚金が申に通根している。

亥月の癸水は、甲木への洩気があるため、庚・辛によって水を生じる働きが重要になります。

この命式では、年干に庚金があり、年支の申に通根しています。水を生じる金が、根を持っている点に注目します。

さらに、天干には丙火・丁火も透出しています。

ここで確認したいのは、水と火のどちらが強いのかという点です。

水には亥・申・辰などの支が関わり、火には天干の丙・丁があります。ただし、火の根の有無や、地支同士の関係も含めて判断する必要があります。

私の考察では、水の勢いが強い場合に丁火があることは、五行のバランスを考えるうえで重要です。

また、庚寅運では庚金が巡る一方、寅と命式の地支との関係も生じます。単純に庚金が来るから良いとするのではなく、寅の作用も含めて運勢を読み解きます。

考察:
命式に吉とされる五行があるだけでは十分ではありません。その五行が根を持つのか、働ける状態にあるのか、そして大運でどう変化するのかを確認します。

 

亥月の癸水は、冬の水旺という季節だけで強弱を判断できません。

亥に蔵される甲木へ水が洩れるため、庚・辛によって水を生じる働きが重要になります。

一方、水が過剰な命式では戊土による制水、金が過剰な命式では丁火による制金など、命式全体に応じた調整が必要です。

今回の考察で大切にしたいのは、次の3点です。

  1. 季節だけで身強・身弱を決めない。
  2. 五行の有無だけでなく、通根や実際に働ける状態かどうかを見る。
  3. 大運は、命式のどこに作用するのかを確認して判断する。

古文に書かれた条件を、実際の命式に当てはめてみると、同じ亥月の癸水でも違いが見えてきます。

 

同じ亥月の癸水でも、命式によって運の流れは異なります。

五行の配置だけでなく、大運がどこに作用するのか。

そこを読み解くと、運勢の見え方も変わってくるのです。

あなたの命式には、どんな運の流れが隠れているのでしょうか。

これからも古文の言葉を手がかりに、命式と大運を照らし合わせながら考察を深めていきたいとま思います。